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フランスカレーのお話

看板商品のフランスカレー、正直、お値段も普通のカレーの常識を超えるお値段(2,710円+税)です。
メニューを見てびっくりされた方もいるかと思いますが、カレー好きの方には一度試してみてほしいと思い商品にしています。プチメゾンのお店の料理は、お値段は安くはありませんが、殆どの商品が原価40%を超えています。この規模だからできると思い続けています。
今回は、カレーを知ったきっかけのお話をしようと思います。

フランスカレーはどこで生まれた?

看板商品のフランスカレーは1972年、2つ目の修行先であるオペラ座近くのレストラン
「ドゥルーアン」で提供していたメニューです。
お客様からもたまに聞かれますが、フランス人はあまりカレーを食べる文化がなく、日本のように
カレー専門店なども一般的にありません。
日本に一般的にある欧風カレーは、イギリスから伝わったカレーが日本で広まったカレーですが、
商品のフランスカレーは、本場のフランスでも認知されている訳ではない、たまたま当時お店で出されていたレシピを再現したメニューです。

考案したのは当時の総料理長(写真右)でした。
当時、下っ端の料理人とグランドシェフが同じテーブルで食事ををすることはそうない時代です。
でも、当時のこの写真の中で同じテーブルで一緒に写っているシェフの姿が確認できます。
人柄も優しく偏見もなく、とても良くしていただいた記憶があります。
お店は当時2つ星レストランです。毎日とても繁盛していて、華やかでお客様も公人や有名人なんかも多く来店していました。
フランスカレーはその中でもコース料理の肉料理として出されており、当時はライスのほかにバケットを添えていたり、鶏肉のほかに子牛やラム肉、魚介と種類もありました。
料理長が何をきっかけにカレーを誕生させたのかは分かりませんが、当時、インド人の料理人をお店に呼んでいたりしたことから、インド式のカレーを学び、そこからフランス料理に応用させたのかもしれません。

フランスカレーと日本のカレーの作り方の違い

フランスカレーは、にんじんやじゃがいもなど、日本のカレーで使う野菜は使いません。
野菜は、玉ねぎ、ピーマン、赤ピーマン、トマト、果物はリンゴとバナナです。その中でも最も大切な野菜はトマトです。トマトは、完熟の状態まで待ち「トマト・トンベ」というブーケガルニと丸ごとのニンニク入れて煮込んだ、トマトがギュッと凝縮されたソースにして使用します。
野菜や果物も同じサイズにカットして、別の鍋で煮込んでいきます。
ここの工程は手間がかかるものの、「素材の旨味を最大限引き出す」というフランス料理らしい繊細な技法です。ひとつの鍋で煮込めばそれは工程は簡単ですが、煮込み過ぎてしまう可能性もあります。「シュエ」という技法を使い食材に汗をかかせる(水分を出す)ことで旨味を凝縮させていきます。

果物も甘みとうま味を出すためには大切な食材。うちではバナナは田辺農園のバナナ、リンゴは料理との相性が良い紅玉かニュージーランドのリンゴを使用しています。砂糖は一切使用せず、甘みは主にこの果物から出しています。

地鶏のフォンがすべての味の決め手になる

フランス料理は、味わい深く複雑さや奥行きを出すために出汁もとても大切です。
調味料は塩と胡椒だけでシンプルにする代わり、フォンでもしっかり旨味を出していきます。カレーに限らず、出汁はフランス料理のソースでなくてはならないものです。

さいごに

フランス料理は、手間を惜しまず、調理過程で素材の良さを引き出す工夫がされています。
一人が大量に作ることも難しいのですが、調味料をあれこれ加えてカバーしたりしないので、そこに料理の面白さがあると思っています。
プチメゾンは、料理教室なども不定期に開催しています。家庭用にアレンジしたカレーも開催していますので、ぜひご参加をお待ちしています。デモ形式が多いので、参加のハードルも低く初心者の方にもおすすめです!!